飯豊本山(敗退)

尾根歩き

2024.06.08 晴れ

野口L(記)、古和田

 飯豊本山に(できれば大日岳まで)行く予定で、三国岳を経由する御沢野営場からのルートで登山届けを出した。それを見た会の先輩から、大日杉小屋から地蔵岳を経由するルートが楽だよ、と教えてもらい、急いで登山届けを書き直しそのルートへ向かった。

 前日、登山口の駐車場でテントを張って前泊した。ここは静かでよかった。古和田はパッキングを崩したくないという理由で車中泊。マットも寝袋もなしで寝たらしい。その辺で寝る訓練を受けた人はさすがである。

 翌朝3時前に起床し3:40に出発。ヘッドライトは必要だが、すでにうっすら明るい。夏至に近いって最高。

 お勧めされた登山道は鎖場が1箇所のみでほとんど急登らしい急登もなくゆったり歩いても3時間ほどで地蔵岳に辿り着けた。

 地蔵岳から飯豊本山が見えテンションがあがる。

ゼブラ模様の飯豊本山

 地蔵岳から切合小屋に延びる登山道は高山植物が咲き誇っていた。名前はわからんが、まーかわゆい。

 花咲く道の途中に目洗清水という水場がある。事件はそこで起こった。

事故現場は画像中央の雪渓が途切れ地面が現れるあたり

 登山道に初めて出現した雪渓。その雪渓の15mほど下にピンクテープが見えた。あそこが水場らしい。急傾斜の雪渓を野口はチェーンスパイクに小さなアイスバイル、古和田はアイゼンにピッケルで下りる。時間は7:30を過ぎ、日差しもあって暑い。雪渓の表面は1、2cmのみ緩んでおり、その下はまだ硬い。チェーンスパイクの短い爪は雪渓の硬い層まで届かず、野口はすぐにスリップしアイスバイルを雪面に突き刺し止まった。たまらず草付きに逃げ込む。雪渓の水で濡れた下草は滑りやすいかと思いきやチェーンスパイクのグリップがよく効く。チェーンスパイクは雪渓よりも沢登りの高巻きや笹藪とかに良さそうだ。

 水場に到着。水場は、、エンビパイプが転がっていた。。

 水はダメだなコリャ、と思って振り返ると、雪渓をいい勢いで滑り落ちてゆく古和田が目に飛び込んだ。うわっ!

 雪渓は傾斜が緩んだところで終わっており、そこまで古和田は腹這いで滑り落ちた。私が見た落下距離は5、6mかと思う。地面にたどり着き、その後痛そうに足元を見下ろしている。なんと着地した際にアイゼンの爪で右足のふくらはぎをエグってしまったらしい。ズボンをめくると1cmほど穴が開いて奥に白い脂肪が見えている。ぎゃ!

 古和田は自分で雪渓の上の登山道まで戻り、充実したファーストエイドキットで手当てをした。消毒、傷パッド、包帯、伸びるテーピング。

綺麗な処置

 歩けるが無理は禁物ということで下山を始めた。最初はそれほど痛くないと言っていたが、下るにつれ徐々に痛みが出始めたらしい。怪我の直後はアドレナリンが出て痛みが薄いと聞く。続行せず下りてきてよかった。

 ゆっくり、ゆっくり下山し12:00に下りきった。

 そのまま古和田宅に直行。その後、病院で5針縫ったとの連絡がきた。来月から転勤となる古和田にとって新潟最後の山行は苦い思い出となったことだろう。無駄に水場を見にいかなけりゃよかった。。リーダーも反省。。

 

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